なぜラジオ番組は低ビットレートで配信しているのに高音質なのか?

ラジコが低ビットレートでも高音質で配信できる秘密

radiko.jpの配信時のビットレートは『48kbps』です。(※ニュースサイトやwikipediaで計測している数値)。これは意外にも低すぎる、と思われた方が多いのではないでしょうか?
少なくとも前回の記事「わかりやすいビットレートとサンプリングレート」でも説明したように、標準的なCD音源と同じレベルで聴取可能なMP3ファイルを作るためには、サンプリングレート44.1kHz、ビットレートで128kbps以上(できれば256kbps)が理想、という話をしたところなので、これと矛盾する、と思われたかもしれません。

実はこれ、コーデックの違いがあるからなんです。ラジコのようなネットラジオ配信局は、たくさんの視聴者のデバイスに負担なく(途切れることなく)音を配信しなければいけないため、その性質上、あまり高いビットレートで配信することができません。そのため配信ビットレートは48kbpsと、どんな通信環境やデバイスでもさほど負担なく受信可能なレベルのデータ量で配信されています。

では、なぜ48kbpsという低ビットレートで高音質な配信ができるのか。ラジコではすべての音声は「HE-AAC v2」という形式で配信されています。これは低ビットレートでの圧縮効率を大幅に向上させた技術です。

普通、例えばMP3形式の場合、ビットレート数(データ量)を下げると、なぜ音質が落ちるのかというと、周波数を削っているからなんです。(これは上限周波数という考え方です。)人間には、人間の耳でききとれる周波数(帯域)の音声と、聞き取れない、聞き取りにくい周波数の音声があります。当然、まったく聞き取れない周波数は必要ないわけですから、できれば圧縮時にはこれらの周波数を削りたいですよね。余計な周波数を削れば、ファイルサイズやビットレートは当然小さくなります。

しかし、この上限周波数をどんどん下げていって、どんどん周波数を削っていくと、ビットレートは小さくなりますが、どんどん音質が劣化していきます。特にMP3ファイル形式の場合、ビットレートを128kbps以下に落としてしまうと露骨に音質が劣化するのは、ビットレートにあわせて上限周波数がどんどん下がってしまうからです。
※これについてはこちらの「MP3 vs AAC 音質比較!」という記事が非常に勉強になります。

radikoの配信コーデックでもある「HE-AAC」形式の何が凄いかというと、高いビットレート時の上限周波数はMP3に劣る(つまり高ビットレートで保存するならMP3のほうが有利)んですが、ビットレート数をどんどん下げていったときに、高い上限周波数を維持できる、というのがHE-AACの強みなのです。

 

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